鶏唐と人参の葉っぱのサクサク揚げ/ケールとアボカドのオクラたたき和え小鉢
Deep fried chicken and crispy carrotte leaves /Kale, avo and chopped okra salad
今日のメインは、ざっくり一枚そのまま揚げた’鶏唐’
ながら、実は、人参の葉っぱがある意味主役。(プロローグとでも言いましょうか)
オーガニックの人参だと大抵葉っぱも一緒に売られています。葉っぱには独特の苦味があるのだけれど、春菊のような香りと風味が大好きな方もいるはず。
さて、ここで、植物の芳香成分のお話し。(実は、本業はアロマセラピストで、植物の芳香成分をブレンドして健康のために用いるのがお仕事で ’香りオタク’ です。)
この苦味のある成分を持つ野菜、eg;春菊、みつば、ふき、コリアンダーなど、セリ科の野菜の葉っぱについて。これらに含まれる独特の香り成分に含まれているのが、αピネン。これは、なんと、ヒノキにも含まれる深呼吸したくなる浄らかな香りで、森林浴するのと同じ、脳へのリラックス効果があります。
また、例えば、同じセリ科の紫蘇の香りには、ペリルアルデヒド。これは、抗菌、抗炎症作用があって、お刺身のツマに添えられるのも理にかなっています。(また、このペリルアルデヒドは春菊にも含まれています)
春菊に似た香りの人参の葉っぱは、αピネンの他、香ばしい香り成分ピラジンを含んでいます。これは、ほうじ茶などの焙煎香=お茶の葉に火をいれて乾燥させる際に発生する香ばしい香りの正体で、この芳香成分には、血液をサラサラにして血流促進する作用、また、脳に作用してGABAという神経伝達物質(神経の緊張やストレスの緩和、睡眠の質を高める作用など)の分泌を促す作用があります。
香りに関して、もうひとつ、特徴的なのが、人参の葉っぱには、体内への優れた消臭作用があるということ。例えば、ニンニクや玉ねぎなど強い香り成分や、または、腸内環境が乱れている時など、悪玉細菌によって発生する有害物質/ガスが発生した時の悪臭を消臭する作用。人参の葉っぱの中の低分子の消臭物質が悪臭の成分をキレートする説、または高分子の消臭物質が悪臭成分を包み込んで排出という、おそらくその両方が行わている説があります。実際に、日々の献立で食する分量で、即効性を感じることはないかと思いますが、凝縮して摂取できるように、乾燥させたお茶や、粉末パウダーにした健康食品もあるようです。
そして、この葉っぱと茎は、カリウムやビタミンなど、私たちが普段食べる根っこの部分の人参の倍以上の栄養を含み、抗酸化物質に関しては、葉っぱの方が多いという報告もだされています。
つまり、人参の葉っぱは、副交感神経を優位にして、体をリラックスさせる香りの効能(口の中で広がる香りと風味)と、それでいて、胃腸粘膜の保護、整腸作用、消化促進などの作用を持つ栄養がある、優れ食材なのです。
ちなみに、アロマセラピー(芳香療法)で使われる人参の香りといえば’キャロットシード’(人参の種の精油)という精油があって。種子と葉っぱでは効能は微妙に異なりますが、キャロットシードと言ったら、血液浄化が特徴で、その要の臓器、肝臓と腎臓の浄化と美肌作用に非常に優れた芳香成分なのです。
*人参の葉っぱのサクサク揚げ
人参の葉っぱ (茎の繊維に沿って、手で割くと、リボンのような曲線ができます)
小麦粉
冷水
冷水でざっくり溶いた小麦粉に、葉っぱをくぐらせ、中温〜高温の揚げ油でからりとあげます
人参の葉っぱは天ぷらにすると美味しいと言われています。確かに、揚げると、口にした時、苦味を全く感じません。ほんのり、セリ科の風味で、とても美味しいです。😊
*鶏唐 (一人分/漬け汁は加熱してタレにするつもりで多めの量になっています)
鶏もも肉 1枚
だし 適量
しょうゆ 大さじ1
酒 大さじ1
きび砂糖 ひとつまみ
天然塩 ひとつまみ
生姜すりおろし 適量
ガーリックすりおろし 適量
片栗粉、小麦粉
大根おろし
粉唐辛子の塩オイル漬け(粉唐辛子をすりおろしたニンニク、海塩、オリーブオイルに漬け込んだもの)
1 しょうゆ、酒、きび砂糖、塩、生姜とガーリックを合わせ、だし適量を合わせてタレを作ります
2 鶏肉の厚みが均等になるように、切り込みを入れながら、骨を外して、タレに、20分ほど、漬け込みます(この漬けたタレは電子レンジで加熱して、かけつゆにします)
3 鶏肉の水気をさっと拭いて、片栗粉と小麦粉を合わせた粉をまぶします
4 中温に暖めた揚げ油で皮目を下にして、色が変わってきたら、時々上下を返しながら、じっくり火を通します
5 最後に強火にして、カラッと揚げて、油を切ります
6 大根おろしに、かけつゆ、粉唐辛子の塩オイル漬けをかけて添えます
イギリスでは鶏腿肉は骨つきで売られているのが一般的。(骨がとってあるお肉は倍くらいの値段になっています)日本から来たばかりの方が、骨つきはめんどくさいとお話しされてたことがあったのだけれど、骨と骨周りは鶏ガラスープに使えるし、意外と一石二鳥です。
外した骨は、小さなスプーンで骨周りの肉を削りとり、これに、たたいた生海老を合わせて、小さなお団子に。鶏唐揚げのタレと片栗粉少々を合わせて、つくねにしました。(これでお吸い物を作ります)
*海老つくねのおすいもの (一人分)
<海老つくね>
鶏の骨とそのまわりのお肉 ひとつ
冷凍海老 一尾 解凍して、片栗粉をといた水でさっと洗い、背腸をとって、みじん切りにします
タレ 小さじ1位
人参の葉っぱ みじん切り
片栗粉
<おすいもの>
水 300ml
だし
天然塩
人参の葉っぱのサクサク揚げを入れて
*ケールとアボカドと赤紫蘇ゆかりオクラたたき和え 柚子胡椒風味ベイビーケール(サラダ用の柔らかい葉っぱ)
アボカド
サラダクレス
オクラ
赤紫蘇ゆかり
ふのり
柚子胡椒
オリーブオイル
1 オクラは産毛が多ければ、塩揉みして、産毛をとります。硬目であれば、さっと茹でます
2 みじん切りにして粘りが出るよう叩きます
3 2のオクラに、赤紫蘇ゆかり、ふのり、柚子胡椒を合わせます
4 器にサラダを入れて、3のオクラたたきをのせ、オリーブオイルをまわしかけます
5 好みで、お醤油、レモン果汁を振ります