癒し飯:納豆信田の一汁二菜の献立

 納豆信田の一汁二菜の献立

納豆信田とだし醤油の辛子添え
采心とにんじん、昆布のお味噌汁
バジルとヴィーガンキャビアの卵焼き
桜漬け
玄米ごはん+ブロッコリー胡麻和え

お世話になった方とのお別れがあり、悲しさの余り、さすがに喉に食事が通らなくなった。

それでも、いつもの日常である、仕事をしたり、お別れとは関係ない人々とのやりとり、会話など、心とは裏腹に朗らかに過ごしながら、もちろん、そうした外での人との善意あるやり取りで、気持ちも癒され、日々の元気を蓄えていくのだけれど、ぽっかり欠落した偉大な存在のロスは大きくて、どんどん魂的エネルギーが減っていくというか、そうだな、まるで、太陽みたいに見守ってくれている存在だったから。

心の中にぽっかり穴が空いてしまったような喪失感だった。

改めて、そこまで大切な存在であった、そういう人に出逢えた奇跡と、この数年間、ずっと心の拠り所でいてくれた事、これまでの恩恵に感謝しながら、振り返ると、自分と同じく、お料理や食べることが好きな方だったので、よく、ごはんの投稿を褒めてくれることがあった。’麗しい’とか’エナジー料理の天才’とか、そういったメッセージを嬉しく拝見したものだった。

時に、体調崩したり、何か気落ちすることがあったりして、なかなか台所に立てなくなった時も、そんな自分の愚痴のようなもの、3行くらいに切り取って、決意して台所に向かった自分の心をちゃんと汲み取ってくださって、句読点がわりに♡を置いてくださったり、細やかで粋な気遣いをくださる方だった。

しかし、食べたくない時は、食べなくていい主義だが、おちこんで台所で涙ばかり流している自分を見たら、寺さんは、なんと言うだろう、顔もひどいものだし。きっと、呆れるだろうなぁ。

さぁ、匂いたつようなお料理を作るために台所に立ちなさい、と囁かれているような気もして、本当は、もう食べ物なんてどうでもいい、という気持ち、だったが、寺さんとのやりとりの記録を読み返しているうちに、一日一膳でいいから、遠くに行ってしまった’寺さん’の為に、命綱のように、ちゃんとした食事をこさえようとそういう気になったのだ。   

そうして、Recovery 回復食が始まった。


9月10日、イギリスの裏側、遠く離れた日本での告別式が執り行われた。私たちロンドンで所縁のあった知人達と共に供花を送り、心の中でお見送りをした。


そして、一日一膳きちんとの三日目。 日々少しづつ 腹xこころと折り合い 向き合い

そろそろ、冷蔵庫の買い置きもそこをついてきて、冷凍庫の残りもの野菜を引っ張り出して、今日は少しばかり、工夫をしてみることにした。寺さんが食べたい!と言ってくれそうなものを作りたい。

そうして、できあがった食卓にお惣菜を並べて、よくやったと 目を細めてもらえているような気がして 小さな努力の甲斐を、かみしめた。


*納豆信田焼き(黒豆納豆、紫玉ねぎ、茄子、おぼろ昆布、とろろ芋、高菜漬け)

薄揚げに納豆、大葉、ネギ、チーズを詰めて揚げる’納豆信田’って栃木の郷土料理なのだそうだ。

手作りの黒豆納豆(小分けして冷凍してストックしている)のアレンジで、思いついた。具材はあるもので、良しとした。ごはんとお味噌汁に合わせて、和風で食べたかったので、チーズはなしで、代わりに、とろろとおぼろ昆布でとろコクと旨みを足した。

実は紫玉ねぎ、おぼろ昆布以外は、冷凍保存していた野菜ストック。(一人暮らしなので、野菜やお肉をパック買いするとすぐには食べきれないから、小分けして冷凍ストックしている)

1。野菜と冷凍野菜の下ごしらえ

玉ねぎ→普通の玉ねぎがなかったので紫ので。あらみじん切り。

茄子→1cm厚みの縦スライスにして冷凍してた茄子、凍ったまま、小さな角切りにして、天然塩を揉み込み、水分が出てきたら硬めに絞って水気をとる

とろろ芋→すりおろして冷凍保存していたもの、パキパキと小ぶりに折って納豆と合わせる

高菜漬け→水につけて解凍したら、固く絞って水切りする(余分な塩分と防腐剤など水溶性の不要成分を拭いとる為)

2。納豆は先に、醤油、カラシで味付けしておいて、他具材と一緒に合わせる

3。冷凍薄揚げは、熱油を回しかけて、解凍、油抜きして半分にカット。破れないように、ひっくり返す

具材を詰めたら、爪楊枝でとめる

4。フライパンにオイルを入れて、こんがりと焼く

5。お醤油、みりん(1:1)合わせて、薄揚げに炒めからめる(火を切って、余熱調理で充分)

*だし醤油あんの辛子添え 器に辛子(イングリッシュマスタード使用)サラダクレス、白だしをいれ、お湯で割ったものを、納豆信田のあんとして添えました

*桜漬け+すりごま おかずが黄色、茶色、緑、と、赤みがなかったから、お漬物添え。柴漬けがあったらよかったかな。

*バジルとヴィーガンキャビアの卵焼き 卵一個にフレッシュバジルとヴィーガンキャビア(海藻由来)、お醤油少々で、ささっと卵焼き。(ヴィーガンキャビアは、イギリスではまだあまり見かけないけれど、スウェーデンでは普通に売られていて、お値段もそんなにしないので、ストックホルムに行くたびに買ってストックしている)

茶色のおかずに卵焼きの明るい彩り、ちょっと添えるだけで食卓が明るくなる

*冷凍野菜のお味噌汁(菜心、にんじん、出涸らしだし昆布)+黒七味

お出汁は特別に良いものを使った

お味噌汁のおいしさが腹に沁みた

テラさんが、よくやった!と、笑ってくれているような気がした。

Big Love xoxox Dear Terra san


9月10日、ロンドンは地下鉄、鉄道のストライキでカオス状態になった移動

街中は、電動自転車とEスクーターのシェアリングサービスを使う人々で溢れかえり、満員バスと混雑した道すがら、想い馳せた。

https://www.instagram.com/p/DObupmVjDGh/



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