北欧の旅(11)スウェーデン~day four~暮らすように歩くルンド

北欧の旅(10)より

南スウェーデンのLundに着いて二日目。
コトリさんは今日は大学の課題に追われていて忙しい。

夕方まで、頑張ります!という事で、夕方以降にキャッチアップ、一緒に過ごすことにして、それまでは一人街をぶらぶら散策する日となった。

当初はコトリさんの学生寮に宿泊予定。が、事情が変わり、彼女の親しい友人の家族が所持するアパートに一人で泊まることになった。

それが、あまりに素敵なところで、昨夜は興奮やまなかったのだけれど、旅の間って’ぎっしり’動き回るから、まさに夢のような気持ちで、横になったら泥のように眠りこけた。

目が覚めて、’ここはどこ?私は誰?’状態で、爆、でも、これは夢じゃなく、現実で、こんな素敵なところに自分がいた。

ホテルと明らかに違う、人の暮らしの温かみがある。
片付いているんだけれど、テーブルの上に積まれた本の様子や、調度品や灯やレコードにこのアパートの住人さんの暮らしの記録、趣向が散りばめられていて、会わずともこの人たちのエネルギーに触れるようで、それがとても刺激的だった。自分の波動まで上がるような気がした。(目覚めてすぐ、思わず、家の中を探索してしまった)
まるで映画のセットの中に紛れ込んだみたい。あたかも時計が止まっているかのような。
この家の持ち主はコトリさんの友人のおじいちゃんとおばあちゃんなのだという事だけど、どんな人なんだろう、さぞかし素敵な人に違いない。
憧れの気持ちで調度品を眺める。

→実はこの旅の記録を1年後の2019年の夏に書いている。そして、この旅の一年後、私はこの方達と初めて対面し、親族となる。ご縁というのは実に不思議なものだ。)


現実に戻るスペース、朝日のあたるキッチンを覗く。
ここでお料理をする機会があるかどうかはわからないけれど、このキッチンの持ち主はお料理好きに違いない。
たくさんのスパイスハーブや積まれた料理本のコレクションを見るとよくわかる。
よく食べ、よく飲み、音をきき、本を読み、よく話し、五感を使って愛でるという暮らしを実践している人なのだろうなあ。

このキッチンの食卓の窓辺には小さな年代物のラジオが置いてあって、それをつけると、スウェーデン語の番組が流れた。何を話しているかさっぱりわからないけれど、そこから広がるスウェーデンの暮らしの音になんとも胸がときめいて、同時に何かとても懐かしい感覚が蘇った。
このエリアはルンドのメインストリートで、すぐそばにモダンな雑貨屋さんがあったり、セブンイレブンもある、カフェやお店の立ち並ぶところ、ロンドンでいうならコベントガーデンあたりだろうか。でも、ロンドンと違って、いたって静かな環境。
Apotekは昔ながらの薬局
すぐ近くにあるルンド大聖堂
前日に歩いたルンド大学に続く緑に囲まれたところ。ここら辺が中心で、各方向に駅、ショッピングストリート、フードコート、博物館、と言った感じで街の見所が広がっている。
窓辺にニョロニョロみっけ。
少し裏通りに入ると、こういった平家のうちも続く。ちゃんと人が住んでいる。
壁やレンガの色合いもまたいい。街自体がアンティークみたい。
さて、お腹が空いたので、街の広場に面したSALUHALLENというマーケットホールに向かった。
ここはチーズやソーセージ、お肉屋さんにお魚屋さん、お惣菜などのデリのストールと、カジュアルに座って食事ができるスペースがあるところ。

Malmstens Fisk & Kökという

お魚屋さんが経営するカフェレストランでランチ。
シーフードのスープを頼んだ。
サラダとパンはセルフサービスで、自分で取りに行く。お代わりしてもいいらしい。
お魚屋さんの魚介スープはハズレがないなぁ。アイオリソースをちょっと入れたら、さらに濃厚になった。
海の幸を堪能。

ちなみにこのマーケットホールの上階にはSystem Bolagetという大きな酒屋さんがある。コトリさんから、スウェーデンはお酒が高く、また販売しているお店が限られていると聞いていた。
平日は6時過ぎ、週末は3時には閉店という事で、夜になってお酒を買いに走っても買うことはできないのだそう。
その事を思い出して、旅のお供のワインを買い出し。
可愛らしいボトルもあったのだけど、何かさっぱりわからないから、スルー。:)
この広場には、マーケットホールの向かいにCO-OPなど大きなスーパーもある。メインストリートから少し先の路地に入ると、アジア系の八百屋さん的グローサリーもあった。
中をのぞいてみたら、日本ともイギリスともまた違う感じで、食材が陳列されている。(今回は見るだけ)
とりあえず一度アパートに戻ることにして、道中見かけたアナログのヴィンテージフェアのポスター。
とってもSwiftyなタイポグラフィで、懐かしいというか、テイスト好み。

アパートへ帰る途中、遭遇したバイオリンの演奏



アパートに戻ってからもずっと聴こえていた演奏 


近くのカフェで買ったアイスラテを飲みながら、窓の外から聴こえてくるバイオリンの演奏に耳を傾けた。とてつもなく贅沢な時間。

それから、このアパートメントにある、素晴らしいアナログの宝庫を前に、これ可能ならば全て聴きたい、とてもその時間はないだろうけれど、ドキドキがいっぱいありすぎて、嬉しくてたまらなくなった。

ルンドの夏。

夕方の待ち合わせまでの時間。

さて、そろそろコトリさんとの待ち合わせの時間。

会いに出かける。



北欧の旅(12)へと続く