ひとり旅なんて、どれくらいぶりだろうか。
’旅’自体が随分と久しぶりの事である。
昨年8月からスウェーデンの大学に留学したコトリさんに会いに行くと約束して、11ヶ月がたった。春には訪れようと思いながら、仕事や諸々の事情が重なり、ギリギリまで日程を決める事ができなかった。
7月に入り、偶然連絡があった旧友より、月末に仕事で北欧に行くと聞き、彼女と合流できる日程に合わせて、ようやく、そして、急遽決まった初めての北欧、デンマーク〜スウェーデンへのひとり旅の実現だった。
朝まで、ロンドンにいたのに、夕暮れを、ここデンマークのコペンハーゲンで、30年来の親友ソウルメイトのノリちゃんと、再会を祝し、キリッと冷えたカールスバーグで乾杯している。:)
*ちなみに、ノリちゃんは知る人ぞ知る知る北欧雑貨chuffyの店長さんである。
この時、隠し撮りしてインスタにあげてたNori chuffyに、やられた!笑:)
まるで、この街に住んでるみたいに、居心地よく、それでいて、ここは言葉も文化も違う魅惑の世界、石畳が素敵な街角、夕刻であった。
day one 7/30 London to Copenhagen 旅の始まり
空港には11:30amまでに着けばよいから、余裕に構えていたのが、今回チケットの手配で使ったエージェントの手違いで、スーツケースの持ち込みが不可能な事が発覚。空港に着くまえに、オンラインでBAにチェックイン時、extra luggageの追加料金£35を支払うか、もしくは空港で£65支払うと言う選択、困惑して朝一でエージェントに連絡するも、対応できるスタッフがおらず、マネージャーに辿り着くまで、2時間以上かかり、その間チェックインはギリギリまで待ってほしいと言うアドバイスに従ってたら、残席はextra charge£15の席のみとなり、仕方なく追加料金を払ってチェックインを済ませ、後は、携帯でマネージャーとやりとりしながら、予定より1時間遅れで、空港へ向かう電車に乗るはめになった。
オンライン上でエージェントが私のチェックインにアクセスしてスーツケースの料金を支払う、と言うのだが、やはりできず、空港で£65を支払い、後で請求してくれと言う事になった。わざわざ安いチケットを探したのに、当日£80も追加となるだなんてひどい話じゃないか。エージェントに対する不信感募り、本当に返金してもらえるのだろうか、不安になりながら、搭乗前、しばし離れるイギリスの軽食をとって気分転換する事にした。(食べる=グラウンディングね)*しかしチェックインは早め早めにやっておくべきだね。
どこにでもある、プレタ・マンジェにて、ベジタリアン・チリビーンズのスープと、ファラフェルとアボカドのスパイシーラップ。(ロンドナーなら知ってるはずなのだが、普段外食しないので、私にはメニューに馴染みがなかった。頼んだスープは、普通にチリビーンズだったので、サラダと軽めのブレッドが良策だった。)普段飲まないコーヒーも、眠気冷ましに頼んで、旅のはじまりのやりなおし、をした。:)いよいよ’夏休み’のはじまりだ:)
ロンドンからコペンハーゲンまで2時間ほどのフライト。
時差は+1時間で、現地時間5:30pm頃にデンマークに着いた。
アンデルセン童話のThe little Marmaid人魚姫の銅像のレプリカがお出迎え。
そうだった。ここコペンハーゲンは童話作家のアンデルセンが住み、作品を書いた街なのだった。子供の頃、亡き父が一冊だけ買ってくれた本があって、それが「アンデルセン童話」だった。
これこれ、この本。切なかったり、風刺が効いていたり、子供心に、かなり衝撃的で何度も繰り返し読んだものだった。懐かしいなぁ。
かっこいいんだよね。これが。
光の陰陽が創り出すシルエットが超モダンで、それでいて、オーガニックだ。
コペンハーゲン空港の建築について調べてみたら、大部分がデンマークの建築史において最も重要な建築家、ヴィルヘルム・ラウリッツェン(Vilhelm Lauritzen/1894-1984)とラウリッツェン社の設計であった。1939年、当時45才の彼が手がけたターミナルは国の指定建築物にもなっている。(現在はそのターミナルは空港オフィスと国賓接遇の場としてのみ使われているのだそう)その後、1960年に着手されたT2&3(国際便のターミナル)もほとんどが彼の設計なのだそうだ。’すべての装飾は建築物の本質的な構造を豊かにするものであるべき’機能主義建築の先駆者であり、自然光(スカイライト)を最大限に建築に利用しながら、人工照明とのバランスで、彫刻的な光の空間を創り出すそんな建築家の美学がコペンハーゲン空港には施されていた。
写真に納めたところが、彼の建築か否かは確認できなかったけれど、そうでなかったとしても、デンマークで継承されてきた機能主義建築の美を受け継いできた建築家の手によるものには違いない。
ヴェルヘルムは建築家でありながら、照明器具のデザイナーとしても大変有名だから、調べると、実に’なるほど’な素敵な光と影のシルエットを作られている。(照明って本当、生活空間を彩るのに重要なエレメントだ)
空港内のカフェバー的スペース。
本当、絵になる:)
空港の中を見渡すと、ロンドンとはちょっと違う光景。
数種類のフォカッチャ(focaccia)が山積みで並んでいた。
ピザの原型、長四角のピザ生地の惣菜ブレッド、美味しそう:)
デンマークもスウェーデンもカードがメインのキャッシュレスの国だから、現金は必要ない、という コトリさんのアドバイスだったのだが、せっかくだから、少し両替をした。
デンマークの通貨クローネ。デザインが可愛い。
日本の50円玉みたいなシルバーの穴あき コイン小さいのが1KR(17〜20円位)、 真ん中が2KR、大きいのが5KR、イギリスの£1みたいな ブロンズのコインは10 KR、100KRの紙幣(1700円相当)
空港から歩いてすぐのコペンハーゲン・カストラップ空港駅へ。「セントラルステーションに行きたいのだけど、次はどれですか?」とその辺りにいた人に英語で聞いてみたら、このプラットホームだよ、と、すぐ教えてもらえた。(英語が通じるとは聞いていたけれど、その通りでホッとした)
空港に引き続き、素晴らしいスカイライトと構築内の光と影の陰陽。この空気感。
プラットホームに幾つかモノクロのパネルが飾られているのだが、まるで近代美術館:)
ロンドンでの時間空間とは空気/体積率も違うような異次元空間。
超近代的、モダンなのに、すごいレトロ感だ。
まるで、時計の針が止まっているような空気感。
2018年のこの時とヴェルヘルムの空港建築が入った80年前と、変わらない空気があるんじゃないかと思うような、おとぎ話の世界のような。200年前、アンデルセンが住んでいた頃にはこの近代建築は存在していなかったけれども、もしかしたら、アンデルセンがここに立っているんじゃないかとDr.Whoみたいな空想をした。
とてもインダストリアルな姿の電車がやってきた
なのに古い時代、歴史を感じる これらを作ってきた人を感じる
うまい言葉が見つからないけど、かっこいい。
ここから、中央駅(central station)まで15分。あっという間だった。ちなみに、 この電車は座席車輌が高く、入り口に登り階段が3段ほどあった。私のような小ちゃいのがスーツケース持っての乗り降りはちょっと怖かった。
やっぱり、上をみてしまう。アスペクト、ダイメンションが素晴らしい。
ロンドンのキングスクロス駅を思い出したけれど、キングスクロスよりもっと小さくて、その分、ギュっと凝縮されているような、モダニズムとオーガニックの風景。
コペンハーゲン セントラル ステーション(中央駅)
橋の上には自転車がずらりと並んでいる。日本を思い出した。:)
駅の橋からの風景
駅を出て、目的地、旧友ノリちゃんが宿泊しているホテルへと向かうのだが、私のi-phoneがロムできなくなって、途方に暮れる。(駅から5分のはずなのに)
wifiが使えるところに戻らないと!汗。何度も駅に戻る。(こういうことがあると、古き良き紙の媒体の方がいいなあと思ってしまうw)
かなり近くにいるはずなのだけれど。スーツケース引きずって、歩き回る。大汗。
でも、そのおかげで、遭遇した、可愛いコペンハーゲンの街並みに気持ちはずみ、微笑む。:)
とにかく自転車が多い!皆、自転車に気持ち良さげに乗っている!
6pmをまわり、ひっそりと静かな裏通りの窓の向こうの様子
閉店したカフェかと思いきや、KLIPPENというのは、ホームレス、 アルコールやドラッグで問題を抱えている人の相談所のようなところで、キリスト教系の 団体によるヘルスケアの施設という事だった。
大きなラウンドアバウトに出た。素敵なところ。少しばかり裏寂れている感じが サウダージっぽくて、又いい。後からまた 来よう。
そうして、ようやく到着:)夕陽の溶け込むホテルのラウンジのお出迎え:)
そうして、無事、旧友との再会。嬉涙:)
セントラルステーション(中央駅)の裏側のホテル街。駅から出たら5分の距離。どうやら反対側から出たらしい、それで、ぐるりと一周してしまったらしい。(非常に方向音痴の人)北欧に旅慣れているノリちゃんにリードしてもらい、コペンハーゲンの夜を散策する。来る途中に、通りかかったラウンドアバウトのあったHalmtovetという通りに戻ってみると、オーガニックカフェや、サラダ屋さん、ビストロ風のカフェなど、表通りでは見かけないような雰囲気のお店がポツポツとあり、どこもお客さんで賑わっている。
ホテルに戻ったら飲み会しよう〜と、スーパー散策。国変われば食文化も変わり、ここの風景もまたロンドンとは違って、楽しい。表記が全てデンマーク語なのと、お金の感覚も全く掴めていないので、 迂闊に手が出せないのだが、 住んでる人並みにこの街のこと熟知してる友人のおかげで、ウキウキと歩く。:) 頼もしい〜♡ ひたすら、のりこに着いて行く:)
クラッシーでおちついた内装の表カフェでサーブされてたプレートが実に美味しそうなものだから、ここで食べる事にした。ラウンドアバウトの角っこにあるAproposというカフェ。
Tapas Plate 5種類のタパスのプレート;炭火焼風ビーフステーキとチミチュリ風ソース、シーザース風のチキンサラダ、ソーセージのピリ辛 ディップ、レバーパテのオードブル、生ハム、チーズ、キュアードサーモン、ポーチドサーモン、オリーブ盛り合わせ
特に、このソーセージのディップがたまらない美味しさだった。多分、 マッシュドポテトにシラチャ ソース、ピーナッツバターと何か?!
Parisian steak ;ビーフハンバーグのオープンサンド、ビートルートのピクルス、ケイパー、ピカリリ( 香味野菜のマスタードマリネ)エッグヨークのオニオンディップ、サラダ盛り合わせ
パンがついてくる。やはり、ライ麦パンが美味しい。
だいたい、 メインのワンプレートで170DKR(デンマーク・クローネ)=約 £20とそこそこのお値段だが、セレクト良し、味良し、ブレッド付きで◎のお食事だった。
日が暮れるまで、ゆっくりと夜風に涼みながら過ごす。
仕事も家の事も、とりあえず忘れて、何年振り、いや何十年振りかの休みらしい休み、’夏休み’がはじまった。
'95 スペイン・マラガにて;ネネ・チェリーの山籠りレコーディングで大集合してホリデー気分を満喫した
ノリちゃんと私達の歴史:)