ことりさんが小さい頃から使っていた、なんてことはない、おさかな模様の小さなどんぶり茶わん。ちょっとしたお茶漬けとかミニ丼のとき、使っていたうつわです。
彼女にとっては’馴染み’がある器、ということで、大学での寮生活に持参した数少ない生活用品のうちのひとつ。
それが、ある日帰ってきたら床に転がっていて、おちゃわんが欠けていたって。留守中に入った清掃係の方がおそらく間違って落とされたのだろう、という事でした。
欠けたお茶碗で、お茶漬けすすったりとか、危ないからして欲しくないなぁ、というママの意向と、でも捨てたくない、おなじものが欲しい、というコトリさんの意向。
あ、そうだ、’金継ぎ’がある!
その前の年に、大切にしていた小鹿田焼きの大皿を割ってしまったときに、陶芸をする友人に相談したら’金継ぎ’して治してくださったことがありました。ちょうどタイミングよく、ロンドンのSway galleryというところで’金継ぎセット’が売られていることを知り、コトリさんには帰郷の際、茶わんを持ってかえってくるように伝えて、ママは早速、金継ぎセットを買いに行きました。
beforeの写真を撮り忘れたのだけれど、小さなどんぶりちゃわんの端っこは7ミリ程欠けていました。
接着用パテを欠けたところに埋め込んで、形を整えてから一晩乾かして、翌日紙やすりをかけて、その上から接着剤のようなものを塗って、金粉を筆で薄く塗りつけました。
そして、欠けてたのが全くわからないくらい、縁っこはスムーズに仕上がったおさかなどんぶりでした。
金粉のつき方にムラはありながら、はじめてにしては上出来といいたい:)
コトリさんもびっくりするだろうなぁ。それに、金継ぎしたことで、なんでもない茶わんが本当に’特別’な茶わんに変身したようでした。:)
2017年8月、金継ぎのおさかなどんぶりをスーツケースに入れて、スウェーデンへと旅立ったコトリさんでした:)