就寝前、森林浴や和アロマの、素晴らしいインスピレーションである稲本正さんの「日本の森から生まれたアロマ」という本から「日本人の新しい風呂文化」というコラムを又開きたくなった。
稲本さんが,明治神宮の「花菖蒲」の展覧会に行ったおり、日本の初夏の風物詩を満喫して、その昔「菖蒲湯」に入った時の事を思い出した、というくだり。
「菖蒲の束が湯船に浮かんでいて、それをかき分けて入る。湯船に首まで浸かると菖蒲の香りがほのかににおう。どことなく高貴な香りで ”まあぜいたくなことだ” と自然に感謝したくなったものだ。」
菖蒲湯は5月5日端午の節句行事として、無病息災を祈って、昔の銭湯ではあたりまえにふるまわれていたとの事。(元は古代中国の5月5日に邪気をはらう浴蘭節という風習から。それが日本に伝わったのだそう)日本でも古来から厄除けとして用いられ、鎌倉、室町時代には、邪気、悪疫を浄化するとして、軒にさしたり、菖蒲をつけたお酒を飲んだのだそう。よもぎと同じように、鬼が近づけないよう、邪気の浄化をしながら、また邪からお札のように守る、という風に書かれているけど、いろんな逸話をまとめると、秘密の箕みたいだ。自分を守ってくれる、強いシールドの力、オーラの強化、というか、そういう植物の力。
まさに、身を守る甲冑ような力を持っている植物なのだろう。
実際に菖蒲は鎮痛、鎮静、健胃、また神経痛、リウマチ、筋肉の緊張と痛み、に効果がある。
雨が降り続いて冷え込んだ晩、菖蒲湯に想いは募り。
日本人に生まれたからには、菖蒲をかき分けて入るお湯につかってみたいと
目を瞑り